エアロ・コンセプトの菅野敬一さんにこのNS時計の竜頭の原形になったエアロ・コンセプト・バッグのロック(6:16辺りで見れます)、杖の頭も同じデザインだと気がつかれましたか?この菅野さんが削りだしたフォルムが大好きで、好意に甘えて使わせて頂いています。NS展当日は、このフォルムを使った電子杖やバッグをご覧頂けるようにするつもりです。もちろん菅野さんもお見え頂きます。
もうずいぶん前になるが、エアロ・コンセプトの菅野敬一さんから送って頂いた「京都の路地の写真」あまり良い写真なので、「いつかブログで取り上げても良いですか?」と問い合わせたところ、下記のような菅野さんらしい、いかにもクラフトマンの気骨溢れる文章を送って頂きました。興味深い内容なので原文のまま掲載します。この新門前通という場所は骨董屋さんの多い場所で、僕も好きな通りです。
坂井直樹様
お送りした京都路地裏の写真、気に入って頂けて光栄です。
私はこの路地の魅力にすっかりハマっちゃって、それでAERO CONCEPT の
第1号店を京都の路地裏に決めたんです。
私は東京で生まれて育ってますし、工場も数年前に都内から埼玉に引っ越して同じ関東ですから、
ショップは東京になるのがごく普通なんだと思います。
エアロコンセプトのそもそもの生い立ちってのが「自分の欲しいモノ」を趣味の延長みたいで造っていたわけだし、
どうやったら儲かるかって事よりも造る事が好きでやってきたわけだから、
その思いがお客さんに伝わんなきゃしょーがないわけですよ。
じゃあショップ出すんなら東京ですか?ってね、成り行きっていうか。
銀座、丸の内もいいけどやっぱりデザインって感じだったら青山とか表参道とか、
あと麻布でしょ、なんて意見がバンバン飛び交う中で、「おれ、京都の路地裏にしようと思ってるんだ」
なんて言ったらみんなエーッ?!なんて顔して(笑)
東京は日本の中心だし確かに商業の中心地だから、
「ブランド物とか、これは他に無い新しいモノだから買ってください」
って言う向きにはいいんだろうけど、「俺たちは好きで好きで造りました」
って素朴っていうか気持ちを伝えてくれそうな気がしないわけですよ、残念ながら東京ってのは。
それで京都って決めたのは、京都の友人でリンクアップの今井さんっていう方に
京都中を案内して頂いた時に見た「路地」が気に入っちゃって、
もう何ていうかその狭さといい奥から何が現れるか宝探しっていうか・・、ハマっちゃったわけです。
まあ里親みたいなもんですか、「関東で産んだ子供なんだけど、どうしても京都の親に育てて下さい」
って感じで京都に託そうと。
京都は日本の永い歴史、文化を今でも大切にしてる街じゃないですか。
だったら造り手の気持ちなんかも大事にしてくれそうだし、
外国人にだって胸張って「日本発世界へ」って言えそうな気がしてます。
それも、魅力的な「路地裏」なんかに店ができたら想像しただけでほんとゾクゾクしちゃってましたしね。
100年以上経った町家が見つかった事で嬉しさは倍増でした。
内装工事する前に、溜ってる旧い空気吸って一晩寝てみたくなって寝袋ひとつ持ってったんですよ、
その日京都は北風の寒い夜でした。で「新参ですけど宜しく」なんて独りごと言ってみて感激したりでした。
何でまた路地裏ってのが魅力的なのかっていいますとね、
「いい仕事しようと思ったらデカくて天井の高い工場は気が散ってダメだぞ、狭いほうがいいんだ」
なんてうちの工場では昔から言い継がれてきた爺さんの言葉を真に受けてるのかもしれないですね。
坂井さんも京都っ子でしたね、
新参AERO CONCEPT 育ててもらえたら嬉しいです。
平成20年5月4日
株式会社 渓水
エアロコンセプト
菅野敬一
AERO CONCEPT 京都店
http://www.aeroconcept.co.jp/products/aeroconcept_store001.html
京都市東山区新門前通大和大路東入ル西之町223-1
Tel:075-533-7161
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