2011年7月4日月曜日

NS展は、たった一つの腕時計の発表の場に過ぎません。しかしその思想にインスパイアされた、様々なクリエイター達の集う場所となりました。


山中俊治さんが、NS_CONCEPTブランドの腕時計に「計る、測る、量る文章」を寄せてくれました。僕も久しぶりに田村奈穂さんと共にデザインに関わったプロダクトの登場です。このブログの読者の皆さんも会場にお見え頂いて、現物を見て欲しいと思います。

計る、測る、量る かつて計測計量は、誰もが持つべき技術であった。歩幅で距離を測る。太陽の位置で時間を計る。器で穀物を量る。やがて精度を求めて私たちの身の回りには魅力的な計量機器があふれるようになった。天秤、気象計、測距計、ジャイロ、そして時計。高い精度の装置が発する独特の魅力は、確かに私たちを魅了した。




























しかしそれらの装置も、今や姿を消つつある。ネットを通じて気温を知り、ディスプレイを通じて時間を知り、カタログを通じて大きさや重さを知る。 計量された1次情報を目にする機会はほとんどなくなり、誰がどうやって測ったかさえ、知る必要もない世界に私たちは来てしまった。

そう言う時代にあって、改めて「はかる」ことの魅力を伝えてくれる腕時計の登場である。そのむやみに複雑な、しかしなお、整然としたスタイルは、表示するためではなく、計測のためのものである。

本展覧会は、たった一つの腕時計の発表の場に過ぎません。しかしその思想にインスパイアされた、様々なクリエイター達の集う場所となりました。坂井直樹がクリエーター達と語り合う7/21と7/25のトークショー。併せてお楽しみ下さい。山中俊治

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